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B.農薬の使用についての質問

質問

B-1. 個別の病害虫などに使用できる農薬を調べるにはどうしたらよいですか。

B-2. 農薬の購入後に登録内容の変更があったが、それに気づかずに使用した場合は農薬取締法違反になるのですか。

B-3. 同じ有効成分の農薬でもメーカーによってラベルに記載されている最終有効年月が異なっているのはどうしてですか。

B-4. 「とうもろこし」に登録のある農薬は、「スィートコーン」に使用することはできますか。また、「ベビーコーン」や「ヤングコーン」は「未成熟とうもろこし」に含まれますか。

B-5. 「葉ねぎ」に登録のある農薬は、「ねぎ」に使用することはできますか。また、「あさつき」や「わけぎ」は「葉ねぎ」に含まれますか。

B-6. 「だいこん」に登録のある農薬を使用した場合、間引き菜を出荷することはできますか。

B-7. 「てんさい」に登録のある農薬は、根や葉を調理して食べる「ビート」に使用することはできますか。

B-8. 「ビート」のように根と葉を調理して食べる作物に使用できる農薬はありますか。

B-9. 「しょうが」に登録のある農薬は、「うこん」に使用することはできますか。

B-10. 「つわぶき」は、農薬の使用上「ふき」に入るのですか。それとも「ふき」と「つわぶき」は別物の作物ですか。

B-11. 中玉トマトは「トマト」、「ミニトマト」どちらの農薬登録に従えばいいのですか。

B-12. 「花き類」(食用ではない)は「野菜類」に使用できる農薬はすべて使用できるのですか。もしできるとすれば分類は「野菜類」で考えて良いのですか。

B-13. 農薬の総使用回数はどのようにカウントするのですか。

B-14. 「葉ねぎ」(万能ねぎタイプ)への農薬の使用についてですが、カットねぎ用として根を残して地上部をカットし、収穫しました。葉がのびてきたらあと数回はカットし収穫しようかと思っています。この場合、農薬の使用回数は、どのような考え方となるのですか。

B-15. 「なす」の栽培中に主枝の切り戻しを行った場合、農薬の使用回数はどのようにカウントされますか。

B-16. いちごの栽培において、農薬の使用回数は、どのようにカウントされますか。

B-17. いちご栽培において、苗とり用に育苗していた親株を苗とり後、そのまま収穫用に用いる場合は、農薬の使用回数はどうカウントするのですか。

B-18. いちご栽培において、収穫を終了した株を窒素中断後、収穫用株として使用する株据置栽培の場合は、農薬の使用回数はどうカウントするのですか。

B-19. 「茶」の栽培中に中切り・台切りを行なった場合、農薬の使用回数はどのようにカウントされますか。

B-20. 「野菜類」の種子処理(種子粉衣、種子浸漬等)が登録されているが、例えば、しょうがの塊茎や種にんにくに農薬登録上使用できますか。

B-21. 稲の作付けが行われている水田で麦類との輪作を行う場合、麦類栽培時の畦畔に使用する除草剤はどのような登録が必要ですか。

回答

B-1.個別の病害虫などに使用できる農薬を調べるにはどうしたらよいですか。

これまで開設していたFAMICの「農薬登録情報提供システム」は令和3年3月10日に農林水産省の「農薬登録情報提供システム」としてリニューアルして公表しております。このシステムでは、作物名、農薬名及び病害虫名、雑草名による検索により、該当農薬の種類、使用時期、使用方法等を表示することができるようになっています。

なお、新種の病害虫等で防除上問題になっている事例については、まずは、農林水産省に相談してください。

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B-2.農薬の購入後に登録内容の変更があったが、それに気づかずに使用した場合は農薬取締法違反になるのですか。

ラベルの内容を守って使用したのであれば、農薬取締法違反には該当しません。農薬の使用期限も守ってご使用ください。

登録内容とともに残留農薬基準も変更している場合があります。この場合、ラベルの内容を守って使用する限り、農薬取締法違反に問われることはありませんが、作物に残留農薬基準を超えて農薬が残留する可能性があります。都道府県やメーカーの提供する最新の情報を確認の上、ご使用ください。

なお、販売禁止農薬に指定された場合は、使用も禁止されますので、使用すると農薬取締法違反になります。

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B-3.同じ有効成分の農薬でもメーカーによってラベルに記載されている最終有効年月が異なっているのはどうしてですか。

1.ラベルに記載されている最終有効年月は、農薬の品質を保証する期間であり、メーカーが提出した各製剤に関する安定性等のデータから定めています。

2.このことから、同じ有効成分の製剤であっても、提出されたデータが各メーカー毎に異なる場合があるため、最終有効年月に差が生じる場合があります。

3.仮にメーカーによって最終有効年月が異なっていても、農薬のラベルに記載されている有効年月までは品質が保証されています。

このようなことからも、各農薬のラベルに記載されている有効年月までに使用してください。

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B-4.「とうもろこし」に登録のある農薬は、「スィートコーン」に使用することはできますか。また、「ベビーコーン」や「ヤングコーン」は「未成熟とうもろこし」に含まれますか。

1.登録作物名の「とうもろこし」には、「未成熟とうもろこし(いわゆるスィートコーン)」が含まれています。このため、ラベルに記載された適用病害虫に対して、使用方法や使用時期を遵守した上で、スィートコーンに使用して問題ありません。

2.登録作物名の「未成熟とうもろこし」は、実のみを食用にするトウモロコシの幼果(いわゆるスィートコーン)を指しています。未熟な幼果を芯ごとそのまま食べるヤングコーンやベビーコーンは、「未成熟とうもろこし」ではなく、「野菜類」に含まれます。

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B-5.「葉ねぎ」に登録のある農薬は、「ねぎ」に使用することはできますか。また、「あさつき」や「わけぎ」は「葉ねぎ」に含まれますか。

1.「葉ねぎ」だけに登録されている農薬は、葉ねぎ以外のねぎ(根深ねぎ)には使用できません。なお、「ねぎ」に登録のある農薬は、「葉ねぎ」に使用することができます。

2.「あさつき」、「わけぎ」及び「ねぎ」は、それぞれ参照すべき残留農薬基準値が異なっている等のことから、別作物としており、「農薬の適用病害虫の範囲及び使用方法に係る適用農作物等の名称について」(平成31年3月29日付け30消安第6281号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長通知)の表1に掲げる作物名においても別作物として記載しています。従って、「あさつき」や「わけぎ」は、「葉ねぎ」に含まれません。

(参考)

各作物の食品衛生法上の残留農薬基準における農産物等の食品分類

あさつき:その他のハーブ

わけぎ:わけぎ

ねぎ:ねぎ(リーキを含む)

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B-6.「だいこん」に登録のある農薬を使用した場合、間引き菜を出荷することはできますか。

農薬登録審査において、だいこんの生育初期に使用する農薬(使用時期がは種時等、収穫前日数以外の方法で定められている農薬)については、間引き菜、つまみ菜の分析データを求めており、この結果、残留上問題がある農薬は、注意事項に「間引き菜、つまみ菜に使用しないこと」の旨を記載しています。

このため、この注意事項がある農薬については、間引き菜、つまみ菜には使用できません。なお、収穫前日数で規定されている農薬については、収穫前日数を守って使用してください。

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B-7.「てんさい」に登録のある農薬は、根や葉を調理して食べる「ビート」に使用することはできますか。

食品衛生法上の残留農薬基準における農産物等の食品分類では、「テンサイ」は「てんさい」に分類され、「ビートの根及び葉」は「その他の野菜」に分類されています。

農薬登録の作物分類では、「てんさい(砂糖用)」と「根や葉を調理して食べるビート」は、別の作物として分類されています。従って、「てんさい」に登録のある農薬を「ビート」には使用できません。

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B-8.「ビート」のように根と葉を調理して食べる作物に使用できる農薬はありますか。

農薬登録の作物分類では、「ビート」は「かえんさい」として主に根を収穫するものと、 「ふだんそう」として茎葉のみを収穫するものは別の作物として分類されています。

そのため、「ビート」は収穫する部位によって使用できる農薬が異なり、「ビート」の根を食べる場合には、「かえんさい」、「根菜類」、「野菜類」に登録のある農薬が使用でき、「ビート」の葉を食べる場合には、「ふだんそう」、「ヒユ科葉菜類」、「野菜類」に登録のある農薬が使用できます。

なお、根と葉の両方を食べる場合には「野菜類」に登録のある農薬が使用できます。

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B-9.「しょうが」に登録のある農薬は、「うこん」に使用することはできますか。

食品衛生法上の残留農薬基準における農産物等の食品分類では、「ショウガ」は「しょうが」に分類され、「ウコンの根」及び「ウコンの根茎」は、それぞれ「その他のスパイス」に分類されています。

農薬登録の作物分類では、「しょうが(学名:Zingiber officinale)」と「うこん(学名:Curcuma domestica(秋うこん)、Curcuma aromatica(春うこん)」は別の作物として分類されています。従って、「うこん」には「しょうが」に登録のある農薬は使用できません。

なお、「うこん」には、「野菜類」に登録のある農薬が使用できます。

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B-10.「つわぶき」は、農薬の使用上「ふき」に入るのですか。それとも「ふき」と「つわぶき」は別物の作物ですか。

「ふき」も「つわぶき」も同じキク科の野菜ですが、異なる種に属し、また、形態等から作物残留性も同様とは考えられないことから、農薬登録上、別の作物として扱っています。なお、「ふき」には、「ふき」又は「野菜類」に登録のある農薬が、「つわぶき」には、「つわぶき」又は「野菜類」に登録のある農薬がそれぞれ使用できます。

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B-11.中玉トマトは「トマト」、「ミニトマト」どちらの農薬登録に従えばいいのですか。

「トマト」、「ミニトマト」については、果実の直径3cmを境目として分類しており、直径が3cmより大きい種を「トマト」、直径が3cm以下の種を「ミニトマト」としています。
 従って、中玉トマトの場合、直径3cmより大きい種であるか、直径3cm以下の種であるかによって「トマト」、「ミニトマト」どちらの登録農薬を使用するかを選択してください。

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B-12.「花き類」(食用ではない)は「野菜類」に使用できる農薬はすべて使用できるのですか。もしできるとすれば分類は「野菜類」で考えて良いのですか。

農薬登録の作物分類では、「花き類」は「野菜類」に含まれません。従って、野菜類に登録があっても、当該農薬は、花き類に使用することはできません。

なお、花き類に使用できる農薬については、農林水産省ホームページの「農薬登録情報提供システム」を使用して調べることができます。

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B-13.農薬の総使用回数はどのようにカウントするのですか。

農薬を使用することができる総使用回数のカウント期間は、農薬取締法施行規則第14条第2項第4号において、「農作物等の生産に用いた種苗のは種又は植付け(は種又は植付けのための準備作業を含み、果樹、茶その他の複数回収穫されるものにあっては、その収穫の直前の収穫とする。)から当該農作物等の収穫に至るまでの間」とされています。

このため、一般的な栽培方法では収穫(収穫期)が一度しかない作物は、種苗(種子、種いも等)を植える準備段階から収穫終了(収穫期終了)までの間(複数年かかる作物を含む)に使用する回数をカウントすることとしています。
一方、果樹、茶その他の複数回収穫される植物は、前回収穫(前回収穫期)終了後から今回収穫(今回収穫期)終了までの間に使用する農薬の回数をカウントすることになります。

なお、生産現場において使用回数について判断に迷う場合などは個別にFAMIC農薬検査部または農林水産省までお問合せください。

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B-14.「葉ねぎ」(万能ねぎタイプ)への農薬の使用についてですが、カットねぎ用として根を残して地上部をカットし、収穫しました。葉がのびてきたらあと数回はカットし収穫しようかと思っています。この場合、農薬の使用回数は、どのような考え方となるのですか。

「葉ねぎ」に限ったことではありませんが、質問の栽培方法では、地上部を地際から切り取り、一斉に収穫することで、収穫が一度完全に終了する場合は、農薬の使用回数がリセットされます。

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B-15.「なす」の栽培中に主枝の切り戻しを行った場合、農薬の使用回数はどのようにカウントされますか。

1つの枝に葉を数枚残す程度に更新剪定を行うことで、収穫期を一度完全に終了させる場合は使用回数のカウントはリセットされます。

なお、生産現場において使用回数について判断に迷う場合などは個別にFAMIC農薬検査部または農林水産省までお問合せください。

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B-16.いちごの栽培において、農薬の使用回数は、どのようにカウントされますか。

いちごの農薬の使用回数は、親株からランナーを切り離した時点でリセットされます。

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B-17.いちご栽培において、苗とり用に育苗していた親株を苗とり後、そのまま収穫用に用いる場合は、農薬の使用回数はどうカウントするのですか。

質問にある親株の栽培における使用回数は、前回の収穫終了後から当該作物の収穫終了までの期間でのカウントになります。

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B-18. いちご栽培において、収穫を終了した株を窒素中断後、収穫用株として使用する株据置栽培の場合は、農薬の使用回数はどうカウントするのですか。

質問にある株の据置栽培における 使用回数は、前回の収穫終了後から当該作物の収穫終了までの期間でのカウントになります。

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B-19. 「茶」の栽培中に中切り・台切りを行なった場合、農薬の使用回数はどのようにカウントされますか。

中切り・台切りのように茶園更新を目的として摘採面よりも低い位置で剪枝を行い、収穫期を一度完全に終了する場合、カウントはリセットされます。

一方で、ならし切りのように次期の収穫に向けて古葉等の混入を防ぐことなどを目的として行われる整枝ではリセットされません。

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B-20. 「野菜類」の種子処理(種子粉衣、種子浸漬等)が登録されているが、例えば、しょうがの塊茎や種にんにくに農薬登録上使用できますか。

使用することはできません。

農薬登録上の「種子」は、種子植物で有性生殖によって形成される、一般に「たね」と呼ばれるものを指し、稲の「種もみ」も含んでいます。しかし、例えば、しょうがの塊茎や種にんにく、ばれいしょの種芋等の栄養体は含んでいません。

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B-21. 稲の作付けが行われている水田で麦類との輪作を行う場合、麦類栽培時の畦畔に使用する除草剤はどのような登録が必要ですか。

畑の畦畔は畑に含めて考えますので、麦類の栽培で雑草等を防除する目的で農薬を使用する場合、「麦類」に登録のある農薬を使用して下さい。

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